【改造プラレール】モハ72970

72系の性能そのままに103系並みの車体を作られた事で有名なモハ72970をプラレールで作った際の記録記事です。なんの参考にもならないと思うのでゲラゲラ笑いながらご覧ください。

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机に転がっていた「電車」の先頭車にノコを入れ

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妻側をベンチレーターを含めて切り離し、ベンチレーターは切除

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顔側を切除した中間車と合わせて

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適当に仮止めして

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反対側のドアを切っていたことに気づいたので切り取り、ジャンクからドアを強奪

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段差や凹みをならして

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屋根にできた隙間をラッカーパテで埋め、乾かぬうちに古い歯ブラシで軽く叩いて梨地を表現したら

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サフを吹いて屋根だけマスキング(サフ色をそのまま屋根色に流用するので)し、ぶどう色で塗装

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ドア窓のモールドをガンダムマーカーで白く塗っておしまい

先頭後尾は作ってないのでなんのために作ったのか自分でもいまいち分かりません



制作期間:2018年9〜12月

【プラレール】ドア開閉通勤電車 切符ごっこ駅セット

時に、西暦1988年。プラレールの新動力化から1年近く経ち、新製品の発売も軌道に乗ってきた頃。7月に画期的な新製品が発売されました。「ドア開閉通勤電車」です。

その名の通り、中間車にドア開閉ギミックが搭載されたものです。中央線201系がモデルとなったこの車両は、1988年7月25日から「S-30 E233系中央線」に置き換えられる2007年6月21日までの約19年間発売されていました。

遊んでいて楽しいギミック系ということもあり、世代の人の記憶に強く残る製品ですが、地味にセットとして発売されたのは今回取り上げる「切符ごっこ駅セット」の一度きりです。

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箱は定番のパノラマレイアウトの手前で当セットを広げて遊んでいる写真。特筆すべきは、通常品との対比を表したかのように配置された「こせんきょう」の並び。

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奥が通常品+こうか駅、手前がセット品。セット品のカラーは渋い印象を受けますね。

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世代の人には懐かしいドア開閉通勤電車。初期品は行先表示が妙な位置にあるのが特徴でした。後々中心の方に貼られるようになりましたが、モデルである201系のように前面中心部に前照灯が配置されるようになるのは2003年以降となりました。

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中身。情景部品がぎっしり入っています。
楕円形のエンドレスレイアウトですが、直線部は直線レール4本分もある贅沢な仕様です。

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これがうわさの黄色いヤツ。跨線橋のカラーバリエーションはセット品やプラレール博限定品、2003年以降のリニューアル品などを含めて多々ありますが、80年代に登場したものはこれのみです。

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後ろ側。渋くもあり落ち着いた色合いです。ホームのはめ方を間違えていたことに撮影後片付けてから気づきました...

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駅部を組んだ様子。

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地上時代の武蔵小金井などがこんな雰囲気でした。
改札前に黄色い古いタイプの公衆電話で電話中の人の姿が見えます。

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駅前で待ち合わせをしている人、自販機でものを買う人、売店にいる親子。賑やかな都会の駅の雰囲気が漂うのが切符ごっこ駅の良さです。

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切符ごっこ駅用の小物類。単品と同じだと思います。

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こうか駅側にクローズアップ。屋根とホーム、そして柱の配色が統一されているのですっきりした組み合わせです。

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跨線橋は「えき」に合わせた成型なので、ホームタイルのデザインはちぐはぐ。近年になって改修された駅みたいなイメージになり、これはこれで味があります。

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同梱の1988年2月現在のカタログと説明書。カタログは7月発売分が反映されていないので、当のセットとドア開閉通勤電車が載っていません。

なかなか取り上げられることのない古いセットを紹介しました。ちゃんとレイアウトを組むのは運転会に持ち込んだ時になりそうです。

【プラレール】寝台特急のステッカーの復元

nayuho.hatenablog.jp

この記事で新メカ化した寝台特急。のっぺらぼうだったのでステッカーの復元を行なったのですが、色も薄いし解像度もガビガビだしで久々に取り出したらちょっとダサいなと思うように。というわけで新たなステッカーを作って再度復元してみました。

ただステッカーを作って貼り替えただけなので工程の写真も特に撮っていませんが、紹介します。

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実際の寸法を測定し、Illustratorで作成。色は光量等を考慮して撮った写真からカラーコードを抽出して選定しました。運転台直下の照り返し防止の塗装を再現した青い部分は綺麗に切り出すのが難しそうなので、とりあえず長方形にしておきました。ほんの一回のために光沢紙のシールを用意するのもなぁと思ったので、ローソンの印刷サービスを利用しました。

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旧ステッカーを取って今回作ったものに貼り替えたもの。角が丸いところの切り出しにちょっと失敗しましたが概ね想像通りの出来上がりになりました。
製品と並べてみると青色をもう少し濃くするべきだったかなと思いましたが、離れてみると違和感がないに等しいのでヨシ。

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白い線の幅が結構ガバガバですがこれは製品準拠。製品のステッカーにも個体差があるのでこれもしっかりとした復元になるというワケです。

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V字の青い部分。おそらく機械で切り込み線を入れているであろう製品にはやはり敵いませんが、それっぽく出来たので満足。

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このローソンのステッカー、曲面への貼り付けには弱いらしく度々剥がれてしまうので、そこらに転がってた多用途接着剤を薄く塗って固定しました。

他の旧製品の復元にもチャレンジしたいところですね。

久居運転会

先日、けんぼーさんにお誘いを頂いたので三重県の久居で開催された運転会「健鉄プラ電交流会」に参加してきました。昨今の事情でなかなか運転会の開催自体が出来なかったり、開催されても参加できなかったりという感じだったので非常に楽しく過ごすことができました。(小学生の作文)

土日での開催だったのですが、愛知で見たいものがあるという寅さんの要望で前日入りすることに。そーなんと共に寅さんの車で向かいました。

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生まれてこの方、東京〜名古屋の移動には鉄道しか使ったことがなかったので自動車での移動は初めてでした。写真は名古屋のちょっと手前のあたりのどこか。

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やってきました。武豊線の東成岩駅。日本で唯一、衣浦臨海鉄道に残るタブレット閉塞の受け渡しを見にきました。

が、昼の列車はホーム上での受け渡しが無く寅さんが落胆。とりあえず列車を眺めるだけ眺めて終わりましたとさ。

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衣浦臨海鉄道のKE65形機関車。JRのDE10形と同型という、専用鉄道あるあるの接続先と仕様を統一しているやつです。専用鉄道なら自社カラーを纏ってもいいはずなのですが、国鉄色のままなのが素晴らしいです。塗料共通化などの事情があるのでしょうけど。

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武豊線から来た列車は東成岩を通過してヤードに入り、機回しをしたら再び東成岩を通過してそのまま専用線に入っていきます。

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先程の12時台の半田埠頭駅行きは16時台に折り返し発車するそうなので、その間は喫茶店に入ったり名鉄に乗ったりして時間潰し。全く縁のない土地なのでこういう時くらいしか乗らない電車は新鮮で楽しいです。

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知多半田駅の近くで見かけた、潰れた喫茶店っぽい建物。

ぼく「ラビットハウスみたいだな」
そーなん「ラビットハウスみたいだな」
寅さん「お前ら同じことしか言えないのかよ」

オタクですんません。

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名鉄知多半田駅から歩きで武豊線半田駅まで移動し、隣の東成岩駅に数時間ぶりに戻ってきてお目当ての貨物をウォッチング。今度はホーム上でタブレットの受け渡しが見れました。で、寅さんとそーなんは愛知で泊まるそうなのでここでお別れ。じゃあな👋

あてくしは一人寂しく三重の実家に転がり込みます。



ここからは運転会当日の様子になります。

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亀山から津まで紀勢線に乗り、津駅で「津津津 津 津津津 津 ワオ津!」と言ってノルマを達成したら近鉄の急行で久居へ。たまたま同じ急行に東京から来たともさんが乗っていたので、車内で合流して会場へ向かいました。

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前日設営組のセンスが光るレイアウトを見て感嘆。レジェンドプラレーラーの方々に脱帽。
レイアウトは3つのブースに分かれていて、会場入り口側から「近鉄布施風の駅があるレイアウトと車庫」「高架線と地上線と車庫」「近鉄中心ブース」で構成されています。

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場所が場所なので、もちろんメインは近鉄電車。この中川連絡線のプレモル(プラレールモジュール)、お気に入りです。

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近鉄特急で埋まっていく車庫。隣には三重電池鉄道さんが製作されたケーブルカーが行ったり来たりしています。

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同じ車両をモデルとしていても製作者によって違う作風を一度に見られるのがこういう運転会のいいところです。

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会場半ばのレイアウトは近鉄以外の改造車や製品などが走ります。なんの変哲もない製品なのに、全く怪しい車両しか写っていません。

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昔よく見た運転会レポートで見たような光景。参加している身なのですんなり受け入れてますが、同じ光景を子供の頃に見ていたらワクワクしっぱなしだったと思います。

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再び近鉄ブース。三重の人間なので近鉄特急がいっぱいいてニコニコしちゃいます。

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近鉄ブースはかなり無秩序。エラく長いDD51には笑いました。

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こ、これは...!2000年代に幼少期を過ごしたプラレーラーの間では伝説となっている103系高運転台車のガレージキットですよ!
雅さん保有のウグイスととしぼうさんが持ってこられたスカイブルーの並びが実現しました。怪しい72系も交えて一枚。

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フィルム風に撮れるアプリで写真を撮りまくりました。

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初日の最後はみんな会場の端に集まって全体像を撮影。

この日はご飯を食べた後に各々宿泊先や自宅に向かう形で解散。ぼくは雅さんと近隣のホテルに泊まりました。


ここからは二日目の様子。

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ホテルを出て会場至近の線路沿いにある駐車場に車を止めたら踏切が鳴ったので、雅さんと共に何が来るかをとりあえず見てみるオタク仕草発動。運のいいことにかぎろひが来ました。

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会場に着くと特急車から通勤車中心の展示に変わっていました。お、以前ホームページで見かけた例の車両もあるぞ!

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三重電池鉄道さんのタンコロ!!!子供の頃に三重電池鉄道さんのページで見て憧れていたものの一つです。良いものを見せて頂きました🙏

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103系のガレキ、二日目はスカイブルーに変わってカナリアが登場。

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会場入り口側にある「近鉄布施風の駅があるレイアウト」の部分。走る車両は大阪から北海道まで幅広く、この時はえちごやさんの三岐鉄道が貨物輸送を頑張っていました。

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松阪の「あら竹」から持ち込まれた鉄道ファン歓喜の駅弁。いつか食べたいな。

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こだまさんのアーバンライナーはもう模型レベル。製品があんなんですから理想の形と言えばこれですよね。

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終わりの時間となり情景や車両が次々仕舞われていく様子。賑やかだったレイアウトがどんどん静かになっていくのはいつも寂しいものです。

片付けを終えて会場を復元したら順次解散。雅さんに実家まで送って頂きました。

お誘いいただきありがとうございました🙇‍♂️

たばこの本いろいろ

ショートピースの記念・非売品デザイン箱を集め始めて約3年。徐々に他の銘柄にも手を出してきて収拾がつかない収集家になりつつあります。
現物をちまちま集めないと全貌が掴めない厄介な代物なのかなと思っていましたが、やはりコレクターズアイテムとして発売当時から既に注目されていたようで、今までどのようなものが発売されたのかが一目で分かる本がいくつか出版されていることを発見しましたので、そういった本をいくつか集めてみました。
記念・意匠替えたばこという文化がほとんど無くなってしまった現在ではそもそも遡りにくい情報なので、このように写真集の形で本にまとめられているのはかなり資料価値が高いものだと思います。

特別意匠たばこ包装集

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日本専売公社内で執務参考用に作られたデザイン集を社団法人専売事業協会が書籍化して社内用デザイン集の再販という形で1969年9月に発売された「特別意匠たばこ包装集」という本。タイトルの通り、通常のデザインのパッケージではなく記念品として作られたものだけを発売年度順に集めたものです。
序文には記念たばこがいかにして誕生・発展して昭和44年現在に至ったかが書かれており、デザインとしての重要性や資料価値について考察されています。
国家・行政のイベント開催時や何かしらの記念日などに発売される「記念たばこ」(大正4年度〜昭和15年度・昭和23〜43年度)、挙国一致・皇軍慰問用に戦中の昭和12〜13年度に作られたものと戦後に発売された通常品の地色や絵柄を変えたものと観光地限定で発売された「意匠替えたばこ」、そして「広告つきたばこ」が全てカラー写真で掲載されているとんでもない優れものです。

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朝日、敷島、チェリー(初代)などの戦前の記念たばこ。

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戦後の記念たばこ。「こだま号」デビュー記念のピースや、ソ連輸出用の「ハイライト」、地色を変えた「五色ピース」が集まったナイスなページ。

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日本万国博覧会協賛の広告つきたばこ。などなど。
カラーページはパッケージの前面だけを写しているため、補完としてモノクロページに展開写真が掲載されています。

巻末には発売年や発売場所、発売個数を一覧にした表もあり、非常に良い資料集です。

前述の通り元々は日本専売公社の内部で使うための資料として出版されたものですが、なんらかのルートでそれを知った者、貴重な製品群のデザイン集として着目した人、展覧会「たばこ美術展」で専売公社用のものが展示され読んだ者などが多くいた結果、一般書籍として販売してくれという声が殺到したために発売された面白い経緯を持つ本です。このような本の一般販売を望む人がいて実際に出てしまうのも、当時の喫煙率の高さを物語っているように思えます。

記念・観光たばこデザイン 第1集

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特別意匠たばこ包装集」の存在を後から知った人や、「たばこ友の会」発足によるたばこパッケージ収集家の増加を受けて、タイトルを「記念・観光たばこデザイン」に改題して1972年に再販されたもの。再販なので中身はほとんど同じです。

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凡例
左:記念・観光たばこデザイン 第1集
右:特別意匠たばこ包装集

再販にあたり序文の追加などはありますが、一番大きな違いは巻末の総目録に記載されていた発売個数の単位が「千」から「万」に変更された点。そもそも一つ一つの発売数が多いので、単位の変更は良い判断だったかもしれません。

記念・観光たばこデザイン 第2集

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記念・観光たばこは「特別意匠たばこ包装集」発売以後も引き続き生産され、バリエーションも日を追うごとに増えていきました。「記念・観光たばこデザイン 第2集」では、第1集にも掲載されているものを一部含めた上で、昭和44年度から46年度にかけて発売されたものを掲載しています。大正4年度から昭和43年度までを一冊にまとめていた第1集と比べるとものすごく短期間のものですが、それだけで1冊出来てしまうというあたりに記念・観光たばこの生産が旺盛だったことが伺えます。

イラストが主流だった昭和45年頃までと、昭和46年以降の写真を用いたパッケージが増えてきた境界を見ることが出来るのもこの本の存在意義を高めています。
また、ハイライトやチェリー、セブンスター、ロングピースなどのフィルター付きたばこが両切りたばこの人気を凌いだことによって、本書に掲載されているたばこが全てフィルター付きのものになっているところも時代の流れを読み取ることができる貴重な資料と言えます。

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昭和44年から45年にかけてはまだまだイラストが主流です。やけにビビッドに塗られた大阪万博デザインのルナ、セブンスター、ホープが目を引きます。

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ハイライトは通常デザインを元にイラストを追加したようなものが多く、ピースは自由気ままにデザインされているものが多いなど、一言に観光たばこと言っても銘柄別のスタイルがあるのも眺めていて面白いところです。

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昭和46年に入ると観光地の写真を採用したものが急増し、外箱付き2個入りという販売形態を利用して繋げると1つの絵になるものも出てきたようです。このページでは左上の「東京」がそれに当たります。

1974年には第3集が発売されているようですが、なかなか手に入らないので入手次第追記したいと思います。

日本のたばこデザイン 1904 1972

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先の3つはあくまでも非通常デザインの写真集。じゃあ通常デザインの方もあったの?とお思いの方もいらっしゃると思いますが(いるのか?)、ちゃんと発売されています。
1972年3月10日に限定2000部が発行された「日本のたばこデザイン」という、そのままの表題の本です。各銘柄におけるデザインの変遷を見ることができます。

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1906年から2019年まで発売されていた超ロングセラー「ゴールデンバット」は当時既に66年の歴史を持つ銘柄でした。昭和15年から24年にかけて「金鵄(きんし)」に改称されていた時期を含めて多彩なバリエーションがあります。
パッケージを作るのに精一杯でデザインどころじゃなかったものもあり、必需品ながら削るところは削らなければならない戦争の暗い影もたばこから見出すことができます。

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封緘紙のページなんてのもあります。単に箱を留めている封緘紙と言っても色々なデザインが込められているのです。

巻末には銘柄ごとのデザインの話も掲載されており、非常に興味深い内容です。たばこ、侮れません。

'73 記念たばこカタログ

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「たばこ友の会」に入会すると購読できる月刊誌「煙趣マガジン」の別冊として1973年7月20日に発行された「'73 記念たばこカタログ」。上の4冊はあくまでも資料集、社内向けのものを一般に販売したものですが、こちらはマニア向けのカタログです。オールモノクロ、写真は全て展開図となっています。付録として誌面上で行われた入札会の結果が封入されていました。たばこパッケージの入札会って面白いですね。自分が言うのもなんですが、マニアの熱量ってすごいです。

表題の通り、「記念・観光たばこデザイン」を記念品と後述の観光品で分けてあります。

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中身はこんな感じ。「特別意匠たばこ包装集」のモノクロページを再編したものと言えますね。
でもこういうのはカラーで見てこそやんけ!と思った方、大丈夫です。ご安心ください。

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カラーで見たければ買えとのことです。

'73 観光たばこカタログ

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そしてこちらが観光たばこの方。広告付きもここに含まれています。

こういった広告があるように、当時はたばこのパッケージ収集がわりとメジャーな趣味としての地位を確立していたことが伺えます。たばこの排除が叫ばれる今では考えられないことですし、面白いですね。



ちなみに先日、大阪の万博記念公園に行った際にEXPO'70パビリオンで開かれていた企画展「プレイバック1970」を見てきたのですが、

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1970年頃のブームの一つとしてたばこパッケージの収集が展示されていました。日本万国博覧会協賛のハイライトが売られていたように、万博とたばこは切っても切れない関係にあるのでこういう展示はあって当然だと思いますが、50年遅れでたばこの収集に手を出したアホな若者からすると、このやってコレクターが収集していた現物を見られるというのは軽い感動モンでした。

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太陽の塔も、このハイライトが無ければ建っていなかったかもしれません。

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万博の写真を見ていると一際目立つ虹色の建物がありますが、これは「虹の塔」と言って日本専売公社のパビリオンでした。以上、余談。

【たばこ】東北本線全線複線・電化完成記念のハイライト

日本たばこ産業(JT)の前身、日本専売公社は記念品のたばこの発売に力を入れており、とにかくイベントごとがあれば何かしら出していました。当時の喫煙率が高かったこともあり、多くの大人が手に取るたばこは広告媒体や観光地の記念品にもなっていました。

三公社五現業」との言葉があったように、国鉄・専売公社・電電公社は流通や通信以外にもこういった記念品でも連携することがあり、1960年代には鉄道開通90周年記念や電信90年・電話70年記念のショートピースが発売されたりもしています。

1960年に発売されたフィルター付きのたばこ「ハイライト」は発売当初から大人気銘柄となり、それまでフィルター無しのショートピースで発売されることが多かった記念品や特別デザインものも1966年以降はほとんどハイライトで発売されるようになります。

さてさて、1968年には鉄道ファンならだいだいの人が知っているであろう国鉄の一大イベントが起こります。1968年10月1日の白紙ダイヤ改正ヨンサントオ」です。

幹線の複線電化が順次完成し、特別急行列車・急行列車の増発、気動車やSL客車列車の電車化による所要時間の短縮などなど、急に便利になったダイヤ改正でした。

ヨンサントオの少し前、8月22日に東北本線上野〜青森駅間の全線で複線電化工事が完成し、9月9日から583系はつかり」「はくつる」がデビューしています。これにより東京〜青森は8時間半で結ばれるようになりました。

これを記念して9月28日に発売されたハイライトを紹介します。発売個数は100万個、発売場所は宮城・岩手・青森の各県。

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オリジナルデザインのハイライトが2個入ったセットで発売されていたようです。外箱はデビューしたての583系はつかりの写真が載ったデザイン、内箱にはデフォルメされた東北地方に583系とりんご狩りのイラストというデザインです。
ハイライトといえば青色なので、赤が主体となったデザインはちょっと新鮮です。
JNRのロゴが入っているのが渋い!

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側面には記念の内容の記載があります。これは他の記念品と同様。

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外箱裏面には寝台モードと座席モードでくつろぐ微妙な表情のチャンネー。寝台モードの方は寝起きにも見えます。

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側面と蓋には「観光は東北へ」「東京・仙台3時間50分」「東京・盛岡6時間20分」と印刷が入っています。

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これはどうでもいいような事なんですが、現行のハイライトが当時の箱にスッポリ入ります。昔より細くなっているんですね。

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583系が引退して早いもので4年半経ちます。こんな記事を書く事になるならもうちょっと真剣に撮っておけばよかったなと後悔。たまたま尾久で留置されているのを見かけたのをクソザコズームで撮った写真しかありません...

こういう記念たばこはおそらく当時の駅の売店や駅前のたばこ屋で売られていたものと思います。これを買って583系に乗り込み、煙を燻らせながら電車旅をしていた人がいたんだろうなぁと思うと、ちょっと羨ましくなりますね。

国鉄の負債返済のために協力してる喫煙者なので、時代に逆行してるのは百も承知ですがJRとJTがコラボした記念たばこが発売されてくれたらな〜と思います。まぁ、今時無いか。

ショートピースの箱を展示する博物館的なサイトを作ってみた

一昨年からショートピースの空き箱をちまちまと集めているのですが、どれもこれもあまり詳細が分からないし、調べても全貌すら不明なので、なんなら自分でまとめたページを作ってしまおうと思いまして。

parlorfleur-pm.com

作りました。プラレール資料館の別館扱いです。

1946年から1966年までに発売された特別仕様の箱や、贈呈品・非売品の箱を発売年順に並べてみました。

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こういった地色を変えた「五色ピース」や

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鉄オタもこれにはニッコリ、鉄道系のデザイン

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神社仏閣の復興記念や行事記念系

などなど、134点(記事投稿時点)を展示しています。

もう50年以上前に展開が終わっているので、贈呈品・非売品なんかは本当に情報が残っていないのですが、一般流通品は本にまとめてあるのを見つけたので速攻で探して入手。

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社団法人専売事業協会が発売した特別デザインパッケージの写真・資料集「特別意匠たばこデザイン(1969)」と、それを再編集・再販した「記念・観光たばこデザイン 第1集・第2集(1969)」、そして今まで発売された箱をまとめた「日本のたばこデザイン 1904〜1972」の4冊です。

「特別意匠たばこデザイン」には掲載品の発売日、発売場所、生産数まで記してあるので、年の記載がない箱の詳細まで分かって非常に便利です。

特別デザインのものはピース以外にもあり、非常に膨大なのでそこまでは手を出さないようにしたいと思います(フラグ)

たばこが身近な存在だった頃のデザインを体感してみてくださいまし。

「日本のトレードマークとロゴタイプ」という本

ある日、フォロワーのモリシマさんに「企業ロゴが好きならこんなオススメな本があるんですが...」と言われた本、それが「日本のトレードマークとロゴタイプ」という資料集。


1973年に発売された本なので初版は入手困難気味ですが、2018年に再販したものが比較的簡単に入手できるのでそれを買ってみました。

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昭和のデカい本特有のボール紙ケース入り。復刻版ですがこういうところまでしっかりしてると嬉しいものです。

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日本の企業ロゴや社内フォントを一度にまとめて眺められるように、というコンセプトで作られたこの本。1700社ほどに連絡して返事が返ってきた700社のロゴマークやブランドマークがぎっしり詰まってます。

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東芝の旧ロゴだってこの通り。

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ビクター...

50年近く前の内容をそのまま復刻しているので、今は無くなった企業や使用を取りやめたロゴが盛り沢山。眺めてると無限に時間が過ぎて行きます。

6050円とちょっとお高めですが、こういったニッチな本は気づいたら入手困難になりがちなので、気になる方はいかがでしょうか。