時に、西暦1988年。プラレールの新動力化から1年近く経ち、新製品の発売も軌道に乗ってきた頃。7月に画期的な新製品が発売されました。「ドア開閉通勤電車」です。
その名の通り、中間車にドア開閉ギミックが搭載されたものです。中央線201系がモデルとなったこの車両は、1988年7月25日から「S-30 E233系中央線」に置き換えられる2007年6月21日までの約19年間発売されていました。
遊んでいて楽しいギミック系ということもあり、世代の人の記憶に強く残る製品ですが、地味にセットとして発売されたのは今回取り上げる「切符ごっこ駅セット」の一度きりです。
箱は定番のパノラマレイアウトの手前で当セットを広げて遊んでいる写真。特筆すべきは、通常品との対比を表したかのように配置された「こせんきょう」の並び。
奥が通常品+こうか駅、手前がセット品。セット品のカラーは渋い印象を受けますね。
世代の人には懐かしいドア開閉通勤電車。初期品は行先表示が妙な位置にあるのが特徴でした。後々中心の方に貼られるようになりましたが、モデルである201系のように前面中心部に前照灯が配置されるようになるのは2003年以降となりました。
中身。情景部品がぎっしり入っています。
楕円形のエンドレスレイアウトですが、直線部は直線レール4本分もある贅沢な仕様です。
これがうわさの黄色いヤツ。跨線橋のカラーバリエーションはセット品やプラレール博限定品、2003年以降のリニューアル品などを含めて多々ありますが、80年代に登場したものはこれのみです。
後ろ側。渋くもあり落ち着いた色合いです。ホームのはめ方を間違えていたことに撮影後片付けてから気づきました...
駅部を組んだ様子。
地上時代の武蔵小金井などがこんな雰囲気でした。
改札前に黄色い古いタイプの公衆電話で電話中の人の姿が見えます。
駅前で待ち合わせをしている人、自販機でものを買う人、売店にいる親子。賑やかな都会の駅の雰囲気が漂うのが切符ごっこ駅の良さです。
切符ごっこ駅用の小物類。単品と同じだと思います。
こうか駅側にクローズアップ。屋根とホーム、そして柱の配色が統一されているのですっきりした組み合わせです。
跨線橋は「えき」に合わせた成型なので、ホームタイルのデザインはちぐはぐ。近年になって改修された駅みたいなイメージになり、これはこれで味があります。
同梱の1988年2月現在のカタログと説明書。カタログは7月発売分が反映されていないので、当のセットとドア開閉通勤電車が載っていません。
なかなか取り上げられることのない古いセットを紹介しました。ちゃんとレイアウトを組むのは運転会に持ち込んだ時になりそうです。