【たばこ】東北本線全線複線・電化完成記念のハイライト

日本たばこ産業(JT)の前身、日本専売公社は記念品のたばこの発売に力を入れており、とにかくイベントごとがあれば何かしら出していました。当時の喫煙率が高かったこともあり、多くの大人が手に取るたばこは広告媒体や観光地の記念品にもなっていました。

三公社五現業」との言葉があったように、国鉄・専売公社・電電公社は流通や通信以外にもこういった記念品でも連携することがあり、1960年代には鉄道開通90周年記念や電信90年・電話70年記念のショートピースが発売されたりもしています。

1960年に発売されたフィルター付きのたばこ「ハイライト」は発売当初から大人気銘柄となり、それまでフィルター無しのショートピースで発売されることが多かった記念品や特別デザインものも1966年以降はほとんどハイライトで発売されるようになります。

さてさて、1968年には鉄道ファンならだいだいの人が知っているであろう国鉄の一大イベントが起こります。1968年10月1日の白紙ダイヤ改正ヨンサントオ」です。

幹線の複線電化が順次完成し、特別急行列車・急行列車の増発、気動車やSL客車列車の電車化による所要時間の短縮などなど、急に便利になったダイヤ改正でした。

ヨンサントオの少し前、8月22日に東北本線上野〜青森駅間の全線で複線電化工事が完成し、9月9日から583系はつかり」「はくつる」がデビューしています。これにより東京〜青森は8時間半で結ばれるようになりました。

これを記念して9月28日に発売されたハイライトを紹介します。発売個数は100万個、発売場所は宮城・岩手・青森の各県。

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オリジナルデザインのハイライトが2個入ったセットで発売されていたようです。外箱はデビューしたての583系はつかりの写真が載ったデザイン、内箱にはデフォルメされた東北地方に583系とりんご狩りのイラストというデザインです。
ハイライトといえば青色なので、赤が主体となったデザインはちょっと新鮮です。
JNRのロゴが入っているのが渋い!

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側面には記念の内容の記載があります。これは他の記念品と同様。

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外箱裏面には寝台モードと座席モードでくつろぐ微妙な表情のチャンネー。寝台モードの方は寝起きにも見えます。

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側面と蓋には「観光は東北へ」「東京・仙台3時間50分」「東京・盛岡6時間20分」と印刷が入っています。

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これはどうでもいいような事なんですが、現行のハイライトが当時の箱にスッポリ入ります。昔より細くなっているんですね。

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583系が引退して早いもので4年半経ちます。こんな記事を書く事になるならもうちょっと真剣に撮っておけばよかったなと後悔。たまたま尾久で留置されているのを見かけたのをクソザコズームで撮った写真しかありません...

こういう記念たばこはおそらく当時の駅の売店や駅前のたばこ屋で売られていたものと思います。これを買って583系に乗り込み、煙を燻らせながら電車旅をしていた人がいたんだろうなぁと思うと、ちょっと羨ましくなりますね。

国鉄の負債返済のために協力してる喫煙者なので、時代に逆行してるのは百も承知ですがJRとJTがコラボした記念たばこが発売されてくれたらな〜と思います。まぁ、今時無いか。