ビジネス特急「こだま号」運行開始記念の記念ピースを入手!

数年前からちまちまと昔のタバコのパッケージを集めています。「記念たばこ」という文化が失われてて30年以上、昔のコレクターが放出したものがよく出回るようになり、珍しいものも収集しやすくなってきました。
地域限定・期間限定発売が基本の記念たばこ。昔の喫煙率の高さからその生産数も多く、多いものでは全国販売で1億個、地域限定でも数十万〜数千万個が生産されているものがあります。出回った際の相場も、何種類も集めた100枚単位の束で1万円とか、珍しいものでも1枚数百円とか、そんなもんです。

しかし、その中でも超が付く入手困難品がありました。無料配布の記念たばこです。

それが「ビジネス特急「こだま」号記念」のピース。1958年11月1日に東海道本線の特急「こだま」が運行を開始した事を記念して、当日の車内で国鉄が乗客に配布したものです。
第1・第2こだまの4往復で配布され、モハ20系(151系)1編成の定員424人×4往復分となる2,000個が用意されました。仮に乗客全員に配布したとしても約300個が余るため、他の国鉄関係者や翌日の列車内でも配布されたと思われますが、このあたりの詳しい話は残っていません。

約65年前に配布されたこの記念ピース。しかも2,000個。そもそもの入手方法が特殊なため、コレクションとして流通している数も少なく、なかなか出回りません。

一度は現物を見ておきたい...と思っていた矢先、2022年5月28日から7月3日にかけて「たばこと塩の博物館」にて企画展「パッケージで時間旅行」が開催されました。

記念たばこのパッケージをコラージュしたキービジュアルに「こだま号」がありました。これは現物が展示されるという事では!?と思い、行って来ました。

ありました。さすが博物館です。

交通系記念たばこの一部としての展示でした。

現物をこの目で見れたとは言え、やはり手元に欲しいもの。一番簡単な入手方法と言えば某クションなので、来る日も来る日も血眼で張り付いていました。しかし待てど暮らせど現れず。いくつ現存しているかすらも分からない代物なので、いつか出てきてくれたらいいなと思いながら過ごしていたのですが、昨年11月に案外すんなり現れました。

というわけで入手!!!!!!!!!!!!!!!
お値段はわりと張りました。仕方ないね。


▲特別意匠たばこ包装集/▼記念・観光たばこデザイン①(2枚とも)

「特別意匠たばこ包装集」では記念たばこ扱いでしたが、再販版となる「記念・観光たばこデザイン①」では「特殊記念たばこ」に分類されています。
前者では1万本(5本入なので個数で言えば2万個)生産となっていますがこれはおそらく誤記で、後者の0.2万個(2,000個)が正しいと思われます。
発売年月日も昭和33年10月1日となっていますが、これは国鉄ダイヤ改正に合わせて専売公社が納入・発売した日付と思われ、実際には前述の通り運行開始日の11月1日に配布されています。

写真立てを買って飾ってみました。



珍しい記念たばこのお話でした。