1964年に開業した東海道新幹線。もちろん車内チャイムを搭載したわけですが、その曲が既存の「鉄道唱歌」のオルゴール。
鉄道唱歌は4年ほど使われ続けましたが、「汽笛一声新橋を」で始まる歌を最新の高速鉄道に使うにはどうかという声がどこかから上がったらしく、当時アゲアゲだった作曲家、黛敏郎に新曲が発注されました。
「東海道新幹線のチャイムには短期間だけ使われた幻のチャイムがある」との記述がインターネット上にちらほら書かれており、どんな曲なのかは分からずじまいだったのですが、ここ数年で音源が再発見されてYouTubeに上がっています。
「黛チャイム」と検索して聴いてみてください。
私は結構好きなんですが、よく聞く評価は「怖い」とか「暗い」とかでちょっと悲しみ。オルゴールなので回転速度や音飛びなどで現在見つかっている3つの音源はどれも異なって聞こえます。
使用期間は1968〜1970年、または1972年までと言われています。暗い曲調だったのが客から不評だったらしく、数年で使用を停止。
ただ名高い作曲家に頼んだのにネガティブな理由で使用を止めるのも憚られたらしく、次のチャイムは誰が作ったわけでもなく著作権の心配がないシンプルな4点チャイムになりました。その4点チャイムはその後1987年から2003年まで「ひかり」の途中駅用チャイムに使われ、現在でも西日本と九州の車両ではたまに聴けます。
写真は去年発売された「黛敏郎 0系新幹線放送チャイム」の復元楽譜。インターネットをブラブラしていたら30部限定で発売されてるのを見つけたので慌てて購入しました。
第1版だったので追加印刷分がまだ売ってるかもしれませんが、結構レアもんだと思います。
楽譜を買ったのはいいものの読めないし楽器も弾けないので鉄道もののコレクションとして所蔵してる感じです。ちゃんと弾けるようにならないとな〜。