TENG SHOCK

転職。それは労働者が別の職を求めて行う活動のこと。会社に不満があったり、業績が悪化して潰れたり、会社都合で首を切られたりした際に行う。

今回、人生で初めてとなる転職活動を行なった。心底参ったものの、とりあえずは良い結果への落ち着きが見えてきたので、一旦ここで活動の経過をまとめる。

転職の兆し

時に2024年4月頃。会社の同僚たちと退勤後に食事へ行った時の話である。

「偶然目にしてしまったリストラ候補者リスト(ド直球)にお前の名前が挙がっている」

えっ。

いきなり、とんでもない暴露をされた。

「新しい仕事を探した方がいいよ」

ワケがあり新卒後ロクな仕事に就かず、人生の敗北者としてCHARANG PORANGに生きていた僕であるが、縁があり3年前の秋口に今の会社に入社した。先に入社していた友人からの紹介である。募集中のポジションがあり、そこへの応募となった。

誘ってくれた友人、そしてリストラの話を暴露してくれた同僚は両名とも大学時代の同期で、アルバイト入社から正社員に登用された組だ。そういうプロセスがあるとのことで、新卒入社を経験しないと途端に難易度が跳ね上がる「卒後の正社員入社」というステップアップを踏むには良い土台だった。面接の際も正社員登用を希望し、それを前提として入社した。

入社から半年ちょっとが経過した頃、正社員登用の打診、というか意思確認のアンケートを頂いたので回答した。結果、時期尚早みたいな事を言われ、そのままアルバイトとして続けることになった。アルバイトと言えど勤務は毎日8時間、週5であり、シフト制ではあるものの名ばかりで、他の正社員と同様に働いてきた。

会社はいわゆるスタートアップ。入社した頃は毎月のようにバンバンと人を採用し、正社員・業務委託・アルバイトとどんどん人が増えていっていた。が、採用されたポジションでのアルバイト新規採用は自分が最後となったようである。後に業務委託の方が入ってきたが、契約期間があるので先に去った。

入社前の面接をしてくれた上司2名も、ひとりはチームの再編で疎遠となり、もうひとりは退社した。正社員登用の意思を告げている人がふたりとも離れてしまったことで、そもそもこの話が有耶無耶となった。

毎月のように複数名採用されていた新入社員も、いつの頃からか月に正社員が1名程度という数に落ち、とにかく人員を増やすフェーズが落ち着いてきたことを示していた。

ある時、そこそこのキャリアを持つ中途入社の方が上司となった。毎月面談が設定されており、そこで正社員登用の話を出してみたところ「調べてみたがここ最近はそのようなプロセスが見当たらないし、事例もない」と言われた。つまり、入社時点でアルバイトの正社員登用はほぼ矮小化からの消滅に向かっていたことになるそうだ。実にタイミングが悪い。かくいう友人らも、入社後一定期間が経過した時に「んじゃ正社員にします」みたいな雰囲気で上がったらしく(詳しくは聞いていないので齟齬があるかもしれない)、なぜ正社員にしてくれたかいまいち分からないと言っていたこともあった。

まぁそれなりに稼げてはいるし、いいかな。と思ってから随分と経ってからのリストラ候補入り暴露である。この時点ではあくまでも候補であり、他にも一緒に仕事をしたことがある業務委託のデキるエンジニアすら名前が入っているとのことだった。もしかしたら非正規を丸ごと切ろうとしているのではないか、と感じた。

新年度に入ってからチーム再編があり、新たなチームメンバーが加わった。いつか聞いた噂によると、この時加わったメンバーも「退社するか、移籍するか」を打診され後者を選んだとのことだった。知らないところで他にもこういう事態に直面している人がいるということだ。

「リストラ候補ですョ」と告げられてからは、いつ正式に宣告されるのか、なぜリストラされるのか(心当たりが無いわけではないので受け入れられないことはない)などとモヤモヤする日々を送っていたが、6月の面談についに宣告された。

そうと決まれば退職に向けて一直線となる。アルバイトなので契約終了という形だ。満3年働いたので、期間としては正直申し分ないし区切りもいいように思える。ただ契約終了を告げる書類に書かれていた理由がどうにも腑に落ちない感じがした。建前なのか、事実なのか、そういう評価となってしまっていたのか、今となってはもう分からない。ただ明確なのは、社員番号上ではアルバイトの最古参がいつの間にか自分になっていたという事である。

退職日は9月末に決定した。

転職活動を開始

7月25日、退職日を考えると実に遅いが、転職活動を開始した。まずは手当たり次第転職エージェントを使い、アドバイザーとの面談を何度か行った。しかしどこも異口同音で「バイトから正社員に転職するのはかなり難しい」と言う。うるせえな。させろや正社員によ。

履歴書と職務経歴書を揃え、現職と同じ業務内容で募集している企業に応募を繰り返したが、どこもかしこも「スキル不足だと判断した」と弾かれ、一次面接まで行けた企業でも同様の理由で落とされた。必須条件に「実務経験1年以上」と言っているが、3年の実務経験は1年以上にならないというのだろうか。まぁ、アルバイトは信用ならんという事の表れなのだろうが。

複数のエージェントを利用したが、最終的には3社に落ち着いた。中にはクソほど腹が立つエージェントもあった。以下に使ったところと総評を列挙する。

  • マ◯イビエー◯ェント:淡々と求人を送ってきて、サポートも手厚いが淡々としている印象。利用する分には不満はない。
  • d◯da:一番の好印象。転職先もここで決める事ができた。サポートも手厚く、履歴書・職務経歴書の添削も十分。アドバイザーもめっちゃ良い人。ただ、選考を進めるにあたって複数の企業に同時に応募するのがベストと言われ、あまり自分の条件にマッチしない企業にも応募しなければいけないの点が少しストレスだった。
  • キャリアスタート:転職◯議というクチコミサイトに登録したら連絡を寄越してきたので使ってみたが、ゴミ中のゴミ。フランクなやりとりをして転職希望者との壁を取り払おうとしているのかは分からないが、最初からタメ口で接してきた。前2社とはえらい違い。ビデオ通話で顔を写して面談した際には開口一番「キミ印象悪いね〜!」と言われ、「そう印象が悪いとどこも採用してくれませよ(ヘラヘラ) なのでここから見た目を整えて内定を勝ち取りましょう!(DV彼氏)」みたいな事まで言われたので、画面をぶん殴ってそのまま退室しようかと思った。おまけに希望する業種の求人は無いと言われ、半ば強引に人材派遣会社を紹介され流れで一次面接を行い、二次に行くまでもなくその日のうちに内定が出るという不可思議な動きもあった。「給料めっちゃ高いですよ!」と電話口で言われたが、内定をくれた人材派遣会社の基本給は19万で、高く見せているのは客先常駐による手当によるものだった。もちろん辞退した。上記D社で転職先を決めたという連絡を入れた時には「そこで決めちゃうんですか?〔原文ママ〕」と返され、マジで何様なんだと思った。じゃあもっといい条件の求人持ってこいよ。

幸いにして、D社に紹介された求人のうち、社内風土や待遇、自分の強みを活かせる環境がある企業を見つけ、一次・二次面接通過の後に内定を頂くことができた。9月某日、現職退職前の内定となった。

というわけで、転職活動結果は以下の通りである。

応募総数:約40社
書類通過:約10社
内定:2社

40社近く落とされると気が気でなくなるが、内定が出ると結果オーライで全て忘れてしまう。ちなみに内定を頂いた企業も先述の人材派遣会社と同様、一次面接をしたその日のうちに二次面接の案内、二次面接後も当日中に内定が出ている。聞くところによると、現職同様非正規を減らして正規を採る方針で求人を出していたらしく、上手いこと転がり込めた感じである。そしてもちろん正社員での採用だ。

これから新しい会社での仕事が始まることとなるが、初の転職、そして初の正社員ということで正直不安だ。頑張って働いていきたい所存である。

PS. 友人各位

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