同人誌即売会の話

同人誌即売会とはその名の通り、同人、つまり同じ趣味を持つ仲間が集まった(一人で活動している所も多いが)サークルが執筆した本、同人誌を公開・頒布する会の事である。
自分の即売会人生を綴る。


私は今夏で即売会に参加するようになってから5年となる。まだ新参者という気分が抜けていないので、大規模な即売会に参加する度になぜか緊張する。
独特の空気感から来るものだろうか。

さて、時を遡り2013年初夏。
"わるいひと"(学校の先輩)に「コミケ興味ない?」と聞かれた。参加のお誘いである。
既にキモのオタクと化して幾年経っていて、同人誌自体もオタクブックストア(書店)でちょいちょい買うようになっていた私には、興味がアリ寄りのアリという感じであった。行く。もちろん行く。キモオタクだからね。

小学生の頃、何かしらの媒体でコミケの存在を知り、ウン万人というオタクが押し寄せるイベントであるという事を知った私は「そんなイベント誰が行くねんw頭のおかしい人の集まりやんけw」と思っていたが、今では立派な頭のおかしい人である。


コミケ初参加であり即売会自体も初参加となる2013年の夏コミ、C84。
完全な初心者である私は舐め腐った態度で臨んだ。会場内が暑くなりすぎて東ホールに雲が出来たという話を知るのはしばらく経ってからだった。

先輩のお誘いで興味があるから来たという程度だったので、どういうサークルがあるのか、どういうルールがあるのか等々何も分からずであった。

ちなみにお誘いの内容は「お使いに行ってきて♡」というもので、開幕早々企業ブースに投げ込まれた。
指定のブツを購入し、受け取る人に渡す。それだけのために国際展示場まで来た。

戦利品は企業ブースのパンフレット2日分、つまり同じものを2冊。

資金不足、下調べ不足、知識不足、とにかく色々と不足した状態で参加したので、同人誌を買う事もなく初めてのコミケを終えてしまった。
後からツイッターやらpixivやらでC84新刊の情報を漁る。性癖にドストライクな本や絵柄がクッソかわいい本などが大量にある事が分かった。

少し考える。

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よし、毎回参加しよう。そう思った。単純なので。


冬、C85。初めて会場で薄い本を買う。
ドクソコミュ障ナメクジ野郎だったので「新刊1部ください」すら言い出せなかったような記憶が微かにある。ただ1回買ってしまうと気がほぐれるのか、その足でホイホイと好きな本を買い漁ってしまっていた。

ジャンル配置の再編が起こる前だったと思う。2日目は主に女性向けだったので参加しなかった。

3日目、フォロワーさんのご厚意で売り子をする事となった。2度目の参加で初めての机の内側。買い専とは視点が違うので新鮮味を感じられた。
会場でフォロワーさんと話す事が楽しくなってきたのもこの頃。それまでは単なる喋らないナメクジだった。ごめんなさい。
この時、気になっていたサークルの新刊をすんでのところで買い逃した。
「あっこれ動きガッチガチに固めて計画的に買わないとダメなやつだ」
そう思った。これが後に自分のコミケでの動きを決める事となる。


2014年、同人誌を買う楽しさを覚えた私はコミケ以外の即売会にも足を伸ばした。
6月15日に開催された「ひだまり荘×ぐらでゅえーしょん」
ひだまりスケッチオンリーイベントであり、参加するフォロワーさんも多い。
気になる本を買うと同時に交流の場として結構ワイワイした気がする。


夏だ!コミケだ!C86だ!
いっぱい買った。性癖的な意味での掘り出し物もあった。
気温が気温なので過酷である。過去2回のノウハウを生かして行動したつもりだった。
企業ブースはカス。


気づいたら冬になっている。夏コミから冬コミまでは短い。
C87。流石に手慣れてきた。
どこのサークルが混むのか、牛歩なのはどこか、目標物の頒布数はいくらなのか、過去の完売時間は何時なのか。些細な情報を仲間内の情報網を使って収集し利用していく。
過去の完売時間は役に立つ気がする。前回午前中に完売した所は早めに行く、前回よりも搬入数が多い場合は様子見、という感じである。
薄い本を確実に得るための作戦だ。同人誌は一期一会。


C88。企業のきらら列が最悪だった。そんな記憶しかない。
企業ブースが苦になってきた。コミケは同人誌に一本化しようかなと思ったのはこの頃である。
企業ブースがなんだ。同人誌を買うぞ俺は。


C89。
早朝列の形成時間が4時半からりんかい線始発到着時間に繰り下げられた。まぁ自分には関係がないのだけれど。
特に書くことが思いつかない。


5月。COMIC1☆10に参加。
小規模コミケという感じで、人もそれほど多くなく、ゆるゆるな雰囲気が気に入った。
余談だが、コミケ以外の即売会に参加する時は「好きな作家さんが本を出すから」という理由で行っている。
出なければ行かない。


7月。サンクリに初参加。
友人が「手伝いに来ない?」というのでニチャニチャした笑顔で承諾、手伝いがてら好きな本を買い回った。


C90。夏コミ。またコミケだ。
この時から会場付近に宿を取る事にした。都内住みではあるが、利便性を考えるとこの方が良い。
家を出て始発に乗ってりんかい線に詰め込まれるのも嫌なのでね。
炎天下で牛歩列に並んだ。最悪すぎる。コミケも慣れたもんだな(ヘラヘラ)と思っていたが、この時は流石にぶっ倒れるかと思った。
ポカリスエットの重要性を再認識。

コミケも参加回数を重ねていくと、ビッグサイトの構造や施設各部名称を覚えたり、今後の施設の動向が気になってくる。
東7・8ホールは建設中だった。これの共用が開始されると、慣れていた場内動線に変更がかかるはずだ。
動線は購入時の動きに影響する。C91からどうなるのかが心配になってきた。さっき貼ったたれぞうみたいになった。


2016年冬コミ、C91。
東7・8ホールの共用が開始された。ホールが歪な形をしている。
動線も変わった。仮設ホールだが、今後10年はこのホールを使っていくとのこと。このホールが解体された後のコミケが気になってきた。
2日目の夜、翌日に備えて寝ようと思っていたところにスタッフの友人から「東7ヤバいよ」との連絡が入りビビり上がった。


C92。
毎年、冬コミ後は「夏コミまでまだ時間あるやんけ(ヘラヘラ)」と思っているのだが、気づけばコミケの時期となっている。時空が歪んでいるんだと思う。
ゴキブリホイホイ(東西連絡通路)が暑い。空気も薄い。夏コミでのここの移動は苦でしかない。生きて通り抜けるとやりきったぜみたいな気分になる。
そういえばけものフレンズが流行ってた時期だった。2期製作決定ポスターを探して撮って回った。

・・・2期?なんのことやら。


C93、ついこの前のことだと思うがそんな"この前"でもない。
情報収集と整理に精一杯、携帯電話を耳と肩に挟んでパソコンに向かってカタカタする日々。これはこれで楽しいので好きだ。
ふと思い立ってきらら島に行った。コミケではジャンルが固まっている所を「島」と言う。
きらら系のオタクと交流が多いので、知ってる顔がいればいいな〜と思っていたのだが見当たらなくて寂しくなった。
連絡の件。会場内は電波がワチャワチャする。ここ数年で改善されたようだが、それでもワチャワチャする。
LINEの通話が全く役に立たず、仲間内では必ず電話を用いることを徹底させた。連絡効率を少しでも上げるための策だったが、有用だったので今後のスタンダードとしていくつもり。
LINEのトークでの連絡となると、情報錯誤が多くなる。気がする。
通知が分からないとそもそも連絡が成立しないからだ。この情報錯誤のおかげで買う予定のなかった本が2冊ほど回って来た。うーん。


で、つい先日COMIC1☆13に参加してきた。
この機会に過去を振り返るか、と思い書いたのがこの記事となる。


単なる思い出話みたいな内容となった。本来何を書くつもりだったのか忘れてしまったのでこの辺で締めることとする。

次はC94。