【プラレール】「ファミリーりょこう サロンカー」と「プラレール40周年号」

こんにちは。なんとなく改めてプラレールについて調べてたら何が正しいのか分からなくなってきてしまい、大学教授が特化している研究の発表の席で「この分野には詳しくないのですが」と言う理由が少し分かった気がします。プラレールナニモワカラン。

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今回ご紹介するのは(通販番組)、いわゆるプラレール冬の時代に発売された「EL-06 ファミリーりょこう サロンカー」と、客車の金型を流用して発売された「プラレール40周年号」です。

まずは「サロンカー」から。

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国鉄分割民営化の影が見え始め、新車開発が停滞しつつあった1980年代。実車をモデルとするプラレール国鉄に目玉となる新車が無ければ商品開発が出来ないわけでして、特に1983〜84年の2年間は迷走し出します。

前年1982年までは売上好調だったようですが、83年に入ってからは何故か車両に電子オルゴールを搭載し「カッコウ」「鉄道唱歌」「汽車ポッポ」のいずれかが流れる「メロディ東北・上越新幹線」「メロディD51を開発して発売、84年には人気車種をラジコン化した「R/Cシリーズ」が発売されました。結果としてどちらも"あかんかった"ようで、短期間で生産を終了。しかも高コスト製品に注力したせいで、通常ラインナップの発売が疎かになります。有名な「おどりこ号」「リレー号」「通勤特急」の三大東海型急行を塗り替えてどうにかしようとしたシリーズもこの頃の発売です。理由は言わずもがなコストカットと苦し紛れでしょう。165系を塗り替えたところで185系阪急6300系になるわけないのに。

そんな中、国鉄が1983年に14系客車を改造したジョイフルトレインを誕生させます。「サロンエクスプレス東京」です。

ほいきたと言わんばかりにプラレールでも「サロンカー」として製品化。この時期唯一の新規金型です。結構気合の入った製品ですが、時期が時期だけに生産数は極少数らしく、1987年まで生産されていたようですが箱付きの現存数は非常に少ないと見られています。当記事の個体は1987年生産のもの。

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付番は「EL-06」。EL(Electric Locomotive)=電気機関車シリーズなのでEL。箱はEC箱に分類されるものです。ファミリー人形3体付き。

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サロンエクスプレス東京は特に牽引機を指定されてなかったので、先頭車は電気機関車ならなんでもよかったはずだと思うのですが、製品ではEF64-24が選ばれました。金型はブルートレーンのEF65を流用しつつ、塗装と車番で差別化を図っています。なぜこの顔で前面に扉のあるEF64だと言い張ってるのかは謎です。冬の時代クオリティ。

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客車の造形はバッチグー。ファミリー人形を乗せるために屋根が取り外せるようになっています。車内もテーブルやカップなどが再現されなかなか上出来です。屋根はクリア成型。

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付属するファミリー人形は母、姉、僕の3体。未開封の状態で入手したので記事の写真では別の個体を使用しています。

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テールマークもしっかり再現。客車ですが編成完結の列車なので最後尾の連結器はナシ。実車は他のジョイフルトレインと連結したりした事もあるようですが。

イカした製品だったサロンカー、1987年の新動力切り替えによるラインナップ見直し時に引き抜かれる事なく絶版となりました。

一部では2015年の廃車回送を予見していた製品だと言われています。言われてません。



サロンカーの絶版から約12年経った1999年。プラレール40周年を記念して9月25・26日にオリエントサルーンを使用した「プラレール40周年号」が走りました。

そう、オリエントサルーンです。12系です。12系なのに14系の金型を使って製品化されました。なんなんだよ。

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初日の9月25日に車内販売グッズとして発売されたのがこの「プラレール40周年号」です。特別デザインのパッケージが特徴。10月14日には一般発売もされており、1999年の「プラレールの日」限定商品を兼ねています。

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61号機をイメージした文字色がイカしますね。

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牽引機は実際の運転に即してEF58-61。1996年に絶版になっていたEF58が堂々復活です。何故か前輪側に車軸受けが付いてます。

しかし残念なのが61号機を再現するために側面にモールドを追加してしまった事。2003年に単品で61号機が発売されたのでそこはいいのですが、2006年の「歴代つばめスペシャルセット」に同梱された青大将色では無駄なモールドとなってしまいました。作業工程上仕方がないとは言え勿体無い気がします。

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12年ぶりに引っ張り出されたサロンエクスプレス東京も金型に改修が加えられ、ドア部分のモールド、車軸受け、シャーシ・屋根のネジ受けが追加されました。

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塗装で誤魔化そうとしてますがどう見てもサロンエクスプレス東京です。本当にありがとうございました。

車内販売用はグレー成型の連結器が装備されており、こちらは一般発売された白連結器の方。いつか車内販売Verも手に入れたいものです。

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この客車は後に再び金型を改修され、「ユーロカートレイン」として再々登場しました。

どちらも詳しく紹介してるサイトやブログは少ないようなので、ここでまとめてみました。



ちなみに今回は写真の品質の維持とクリックで別ウィンドウを開いて写真の拡大が出来るようにしたのですが、どうでしょう。