前回(近代建築・廃駅巡り)の続編です。
前回は神田で終わらせたので今回は東京駅からスタートする事にしました。丸の内には東京駅を始め結構な数の近代建築が残っているので面白いです。
というわけで東京駅丸の内駅舎です。1914年竣工。
1945年に空襲に見舞われて以後60年ほど応急処置のまま営業していたのは有名な話です。
2012年に建設当時の姿に復原されました。今でこそ復原後の姿に慣れましたが、東京駅と言うと三角屋根の方がまだイメージとしてはしっくり来ます。
ドーム内部を魚眼レンズで撮ってみました。美しい作りですね。鷲のレリーフが素敵です。
東京駅の左手には旧東京中央郵便局の保存躯体があります。1933年竣工。
再開発後のJPタワーとしては2012年竣工です。なんか気付いたら高層ビルになってました。
建物の一部保存の場合、竣工年を再開発後とするか初代建設時とするか迷いますね(個人的な意見)。
内部は「KITTE」という商業施設になっています。郵便局なので「KITTE(切手)」、安直ネーミングってやつです。
中に入るとあら不思議、すごく綺麗な空間になっています。左の白い部分が東京中央郵便局庁舎で、建物をそのまま再利用したそうです。吹き抜けはいいですね。すけべです。
低層部の最上部を望遠でバシャリ。白いタイルが美しいです。
タイルを撮っているくせに手前に天井からぶら下がっているわちゃわちゃしたものがモロに写っているのは実相寺昭雄の影響を受けているからであります。
6階は旧屋上を庭園にした「KITTEガーデン」になっていて、こんな感じに東京駅を撮る事ができます。
JPタワーを出て丸ビルのある通りを神田方面に向かうと日本工業倶楽部会館が見えます。1920年竣工。
東京中央郵便局と同じく一部保存です。現在は三菱UFJ信託銀行の本社ビルとなっています。
来た道を戻ります。
丸の内パークビルディング。こちらは近代建築でもなんでもなく2009年竣工の高層ビルです。
以前、この地には1928年竣工の「丸の内八重洲ビルヂング」が建っていましたが、三菱地所の再開発事業により解体されてしまいました。建物自体は取り壊されましたが、低層階の一部に旧ビルが再現されています。建材を再利用しているそうなので、一部保存のうちに入れてもいいかもしれません。
近寄るとこんな感じです。近代建築を現代に蘇らせた感があります。
パークビルディングの背後には三菱一号館。こんな見た目ですがこちらも2009年竣工です。
1894年に建設され1968年に解体された三菱1号館のレプリカ建築で、内部は美術館になっています。ここの中庭は丸の内とは思えないくらい良い所なのでオススメです。
日比谷通りに出て明治生命館。1934年竣工。無料で内部の見学が出来るそうなので、入ってみました。
ん〜モダンw ザ・近代建築といった感じですね。装飾も凝ったものばかり。
見所満載なので気になった方は是非行ってみる事をオススメします。ちなみにエレベーターの内部がかなり良かったです。
続いて第一生命館、現・DNタワー21です。1938年竣工、DNタワーとしての建て替えでは1995年竣工です。戦後に連合国最高司令官総司令部が置かれたアレ。外壁はそのままですが内部は完全に作り替えられているそうです。
お次は日比谷公会堂、またの名を市政会館。1929年竣工。
現在は改修工事中で利用出来なくなっています。
ここで丸の内近辺とおさらばして銀座へ向かいます。山手線の高架線、立派な煉瓦アーチです。東京駅開業と同じく1914年竣工です。
関東大震災と戦争を耐え抜いてきた変態高架です。いくら補修されてると言っても頑丈過ぎやしませんかね...
有楽町駅の近くにある泰明小学校。1929年竣工の復興小学校です。アーチ窓が良いですね。小学校なのでモリモリ撮るわけにもいかずそそくさと退散。
ここから外堀通りに向かいます。
こちらは電通銀座ビル。1933年竣工。
建設当時は銀座一の高さを誇ったそうです。緑色のタイルが特徴的で落ち着いた雰囲気なのですが、どうやら改修中のようでネットで覆われています。
1階角のタイルガラス。いいですね〜、モダンです。
ちょっと移動してヨネイビルディング。1930年竣工。東京都選定歴史的建造物に指定されています。
さて、結構歩いて疲れてきたので次で最後にする事にしました。
奥野ビル
近代建築好きの間では凄く有名な物件なのであまり詳しくは説明しないでおきます。
1932年竣工の本館と1934年竣工の新館が隣接して一つのビルになっています。
画廊が多く入居しているので出入りは自由のようです。
というわけで中に入ってみます。
2階へ上がる階段。超絶レトロな雰囲気です。階段の手すりは木造。色も形も統一されていないドア。こういう混沌した狭い空間ってのが大好きです。
エレベーターの階数表示器がなんとも言えませんね。
また魚眼を使うなど。
階段の横には窓がありますが、顔を出しても新館側の階段が見えるだけです。おそらく本来はちゃんとした窓だったんでしょうね。増築の時にそのまま残されたのでしょう。
地下1階があったので下りてみました。変電設備と謎の椅子が2脚、あと謎のドア。
非常に味のある空間です。
文化財に指定されて保護されている近代建築も良いですが、この奥野ビルのように昔のままずっと使い込まれている近代建築も最高ですね。(前回も同じような締め方をしたような気がする)
今回の近代建築巡りはここで切り上げましたが、未だに回れていない所も数多くあるので近いうちにもう一度巡りたいと思います。
ではまた。